歴史の中で培われた異国情緒ある街並みが魅力の街

神戸市山手エリアに暮らす

六甲山系の山々とその山麓に拡がる神戸市。市街地エリアは、山と大阪湾の間の扇状地上に発展してきた。山すそに位置する坂が多い地域は一般に「神戸山手」と呼ばれ、緑に溢れ、海を見下ろす眺望に恵まれたところが多い。

「諏訪山公園」から見た市街地
「諏訪山公園」から見た市街地

概ね明治の開港以降に整備された市街地には、南北方向に伸びる「坂」「筋」と、東西方向に伸びる「通り」が比較的規則的に並んでいる。港と山麓を結ぶ坂で代表的なものは、1873(明治6)年に開通した新道(現「トアロード」)をはじめ、「鯉川筋」「ハンター坂」「北野坂」など。「通り」は、北から「山本通り」、「上山手通り(現・パールストリートなど)」、「中山手通り(現・山手幹線)」、「下山手通り(現・生田新道)」と名付けられている。「山本」の明確な由来は不明であるが、「山麓」を意味していると考えられる。

外国人が住まった居留地~神戸山手の歴史

「神戸北野異人館」
「神戸北野異人館」

1868(慶応3)年、「神戸村」に神戸港が開港されると、神戸港周辺は「神戸外国人居留地」に指定されたほか、南北を海と六甲山の山麓、東西を「旧・生田川」と「宇治川」に囲まれた地域も外国人が居住できる雑居地となった。現在もこのエリアには、当時建てられた洋館が数多く残る。「神戸市北野町山本通伝統的建造物群保存地区」として保全されており、人気の観光地となっている。

「海外移住と文化の交流センター」
「海外移住と文化の交流センター」

1928(昭和3)年に開設された「神戸移住センター」(旧「国立移民収容所」)は、1971(昭和46)年に閉鎖されるまで、日本における海外移住の基地として、南米を中心に多くの移住者を海外へと送り出した。旧移住センターは再整備され、2009(平成21)年に「海外移住と文化の交流センター」としてオープンしている。

「トアロード」西側は官公庁街・文教エリア

「兵庫県公館」
「兵庫県公館」

明治以降「トアロード」西側は、官公庁街、また文教エリアとしても知られる街となっていった。1873(明治6)年、現在の県庁舎付近に兵庫県庁が移転。以降、兵庫県の行政の中心地となっている。1902(明治35)年に建設されたクラシカルな佇まいの本庁舎は現在も「兵庫県公館」として残り、国の登録有形文化財となっている。
文教エリアとしての側面では、1875(明治8)年に「神戸英和女学校」(現・神戸女学院)が設立。1933(昭和8)年に移転したものの、跡地には「神港中学校」(現・神港学園)が移転してきている。また、1877(明治10)年には現在の県庁の場所に「神戸師範学校」(「神戸大学発達科学部」の前身の一つ)、1901(明治34)年には「兵庫県高等女学校」(「兵庫県立神戸高等学校」の前身の一つ)など、現在の神戸の教育の中核を成す学校が設立されている。

「神戸市立こうべ小学校」
「神戸市立こうべ小学校」

1889(明治22)年には「頌栄保姆伝習所」(現・頌栄短期大学)が設立、1924(大正13)年には「山手学習院」(現・神戸山手学園)が設立され、1926(大正15)年には諏訪山山麓に校舎が建設された。さらに、1900(明治33)年には「諏訪山尋常小学校(現・神戸市立こうべ小学校の前身の一つ)」、1901(明治34)年には「山手尋常小学校(現・神戸市立山の手小学校の前身の一つ)」が現在の「神戸市立こうべ小学校」の場所に開校。現在は統合されていたり、別の地へ移転している学校もあるが、多くの学生を輩出し、学校が誕生してきた神戸の教育の礎となった地なのである。

神戸の街を一望できる諏訪山

山本通沿いにある諏訪山は、神戸の中心部にも近い自然豊かな場所。神戸港を見渡せる高台に位置することから、見晴らしの良さと交通の要衝として、南北朝時代には「山路城」が築かれたともいわれている。

「諏訪山公園」
「諏訪山公園」

1897(明治30)年刊の『神戸名所案内』や、1911(明治44)年刊の『共進会神戸名所案内誌』でも諏訪山が紹介されており、明治期から神戸を代表する名所であったことがわかる。1873(明治6)年には、麓に湧出していた鉱泉「諏訪山温泉」を利用した料亭「常盤楼」が開業し賑わいをみせた。同じく1873(明治6)年に「諏訪神社」の境内の一部が公園に指定。1903(明治36)年には遊具などもある「諏訪遊園」として開園、1928(昭和3)年には諏訪神社の西側に「諏訪山動物園」(1951(昭和26)年に「王子動物園」へ移転)が誕生している。

「ビーナスブリッジ」
「ビーナスブリッジ」

1874(明治7)年にはフランスの天体観測隊がこの山で金星の観測を行ったことから、現在も「金星台」と呼ばれる展望台が残る。前述の『共進会神戸名所案内誌』でも「金星臺に登れば眼下に神戸港を見 又眺望遠く数十里に及ぶ」とあり、展望台としての歴史も長い。現在は、「ビーナステラス」や「ビーナスブリッジ」といった絶景スポットがつくられ、三宮や元町、メリケンパーク、ポートアイランドなど神戸の街を一望できる。素晴らしい夜景は特におすすめだ。

複数の路線が通り交通アクセスは良好

地下鉄西神・山手線「県庁前」駅
地下鉄西神・山手線「県庁前」駅

神戸市山手エリアからは、地下鉄西神・山手線「県庁前」駅・「大倉山」駅、阪神本線・JR神戸線「元町」駅、神戸高速線「花隈」駅などが徒歩圏内。新幹線に乗って広島・博多方面や名古屋・東京方面へ出かけるときは地下鉄西神・山手線、大阪方面への通勤・通学やショッピングはJR神戸線など、行き先に応じて利用路線を選ぶことができて便利。

神戸ならではの魅力あるショップたち

「大丸 神戸店」
「大丸 神戸店」

都会の喧噪から離れた地でありながら、神戸を代表する商業地区もほど近くショッピングも楽しめる。「元町」駅の南側には「元町商店街」や「大丸 神戸店」があり、さらに海側にはハイセンスなブティックやセレクトショップ、こだわりの雑貨店などが多い旧居留地エリアが続く。海沿いの神戸港周辺には「ハーバーランド」があり、「umie」や「umie MOSAIC」など大型のショッピング施設が充実。子どもが喜ぶ「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」や観覧車などもある。

「三宮センター街」
「三宮センター街」

また、「三ノ宮」駅周辺には、「ミント神戸」「そごう 神戸店」「神戸マルイ」などのほか、華やかな商店街の「三宮センター街」や地下街の「さんちか」もあり、ショッピングサイトは非常に豊富となっている。

神戸の洗練された食文化を楽しむ

「ラヴニュー」
「ラヴニュー」

海と山に恵まれ、外国の食文化が身近な神戸は、美食の街としても有名。鯉川筋やトアロード沿いには「ミシュランガイド」に掲載されるような高級店が多いほか、老舗、新進気鋭のお店、隠れ家的なお店、くつろげるカフェなども多い。さらに、バウムクーヘンで有名な「ユーハイム 神戸元町本店」やチーズケーキの「観音屋 元町本店」といった神戸発のスイーツをカフェで楽しめるのも魅力だ。

「南京町」
「南京町」

また、神戸の中華街「南京町」のほか、タイ料理、ベトナム料理、インド料理など、各国の多彩なグルメを味わうことができる。