はまようちえん 樋口詩菜 統括キャプテン インタビュー

園児だけでなく保護者と職員も「自分らしく」成長する「はまようちえん」

兵庫県尼崎市のJR「尼崎」駅から徒歩7分のところにある「はまようちえん」は、1954年に開園した幼保連携型認定こども園で、その教育方針が注目を集め、近年は日本全国から大勢の関係者が見学に訪れているという。「わたしになる。ぼくになる。」という教育理念を職員と保護者の間で共有し、子どもたちの興味や好奇心を成長につなげる手助けをするスタイルに支持を集めて、通園バスを持たず通園範囲は尼崎市内一円、一部市外にも及ぶ。統括キャプテンの樋口詩菜先生に教育への思いや尼崎の魅力についてお話を伺った。

樋口詩菜統括キャプテン
樋口詩菜統括キャプテン

伸び伸びと成長ができる「これからの幼稚園施設」

――園の概要・沿革についてお聞かせください。

樋口統括キャプテン:私ども「はまようちえん」は1954年に開園し、長く尼崎の地で幼児教育に携わってまいりました。5年前には「幼保連携型認定こども園」となり、保育園としての機能も備え、特色のある保育が徐々に注目を集め、現在では年間に全国の関係者約100人の方が当園の見学に来られるモデル園的な存在となっています。ちなみに文部科学省が昨年に行った「これからの幼稚園施設」モデル園として、全国の4園のひとつに選ばれました。これは、三代目である現理事長・園長の方針で、子どもたちの興味や好奇心を原動力に伸び伸びと成長を見守る教育方針で作られた子どもにふさわしい環境に対する評価であると考えています。

「はまようちえん」の沿革についてお話される樋口さん
「はまようちえん」の沿革についてお話される樋口さん

年齢を超えた園児の交流

――特色のある保育について詳しくお聞かせください。

樋口統括キャプテン:子どもたちが自発的に学び成長していく環境が一番の特色であると思います。例えば保育室に壁はなくオープンで、異年齢の子どもとともに学び体験をする形を取っていて、子どもたちは教え合ったり助け合ったりすることで自ら成長していこうとします。園庭の総合遊具も取りやめて、子どもが遊びを創造し感性を育む場になりました。当園の教育理念は、「わたしになる。ぼくになる。」。これは個性や多様性を認め、一人ひとりが自分らしさを見つけて、幸せな人生を歩んでいけることを目指しています。同様に保護者の方や園の職員も「自分らしく幸せに」なることを目指しています。

 

0・1・2歳児クラスが、ワンフロアでともに食べる
0・1・2歳児クラスが、ワンフロアでともに食べる

個々人の長所を生かす教育理念

――教育理念が保護者や職員にも浸透しているのですね。

樋口統括キャプテン:そうなんです。保護者の方もライフスタイルや価値観は人それぞれで、園の活動に時間が取れない方もおられますし、逆にイベントなどが大好きな方、裏方の作業が得意な方など個人差が大きくあります。ですので、当園ではPTA制度を採用せず、「やりたい時に、やりたいこと」を「おたすけまん」という活動で自発的にお手伝いいただくシステムをとっています。これは私たち職員も同様で、絵本を読むことが好きな先生、1人の子どもとじっくり向き合うことが得意な先生、リーダーシップを発揮する先生、といった個性や長所を生かす形で、全員がプロ意識を持ちチームとなって連携することにより、子どもたちにより良い環境を用意できるよう努めています。

園児を見守る、サポートする「はまようちえん」

――とてもユニークで理想的な教育環境だと感じます。

樋口統括キャプテン:ありがとうございます。お陰様で子どもたちは自発的に行動することが身についています。掃除をする5歳児を見て真似をして始める3歳児、友達にお手紙を書きたいから文字を覚えようとする、工作をしたくてハサミの使い方を学ぶ。そんな自発的な行動に対して、私たちは関心を払いながら静かに見守る。「はまようちえん」はそんなところです。あと、「食べることを楽しむ」ことにも以前から重きを置いていて、安全な食材を供給してくださる契約農家さんに珍しい野菜を見せてもらうなど、食への関心を持つことや、自ずと感謝の気持ちを持つことにも効果が出ています。

掃除は希望者が自発的に
掃除は希望者が自発的に

地域のコミュニティの場としての園

――地域の方々との交流や、連携して行う行事などがありましたら教えてください。

樋口統括キャプテン:長く地元で園を運営させてもらっていますので、様々なつながりがあります。当園では、つながりのある方に園庭を無料でお貸しして、卒園児の集まりや町内の老人会の会合やイベントなどでご活用いただいています。また近所の商店にイベントで使用する食材をお買いものに出掛ける機会を設けていますが、これも地域とのコミュニケーションのひとつとなっています。

保護者が休日のワークショップで作成した石窯
保護者が休日のワークショップで作成した石窯

子育て世代の憩いの場「きのっこ」

――地域の子育て支援などの取り組みはありますか?

樋口統括キャプテン:いくつかあります。「きのっこ」という親子ひろばを運営していて、主に在宅で子育て中(0~3歳児)の未就園児親子を対象に月曜から金曜の毎日オープンしています。私たちはこれを未就園児親子の「もうひとつのおうち」と位置付けていて、子育ての情報を得たり仲間を作ったり、様々な人との触れ合いの中で楽しく心豊かに過ごしていただく場を目指しています。特に地元が尼崎でない方にとっては、子育てつながりの基地になっていると感じています。

新、旧住民ともにつながれるまち「尼崎」

――尼崎エリアにお住まいになる方に向けてメッセージをお願いします。

樋口統括キャプテン:当園の近くにあるJR「尼崎」駅周辺は再開発で街区が整備されていて、大阪へも神戸へも交通アクセスが便利な立地も魅力ですね。また、尼崎には子育て世代が中心になって開催している町おこし的なイベントもあり、古くから地元におられる方も、新しく尼崎に住まれた方も、とてもフラットに輪が広がっていることがこの地域の特長だと思います。もちろん教育、子育ての面で当園がお力になれることがあれば嬉しいです。その時はお互いが自分らしく楽しく成長できる機会となることを願っています。ありがとうございました。

はまようちえん外観
はまようちえん外観

園児だけでなく保護者と職員も「自分らしく」成長する「はまようちえん」

樋口統括キャプテン
所在地 :兵庫県尼崎市浜2-2-13
電話番号:06-6499-4919
URL:http://www.hama.ed.jp/
※この情報は2020(令和2)年12月時点のものです。