姫路市姫路駅周辺整備課/文化コンベンション推進室他インタビュー

「キャスティ21」で魅力が向上した「姫路」駅周辺地区/新たな賑わい拠点「アクリエひめじ」の魅力に迫る

2006(平成18)年のJRの鉄道高架化に伴い、生み出された新たな駅前の土地の高度利用を実現するために姫路市が進めてきた街づくり計画「キャスティ21」。先進的でにぎわいのある魅力的なエリアとして変貌を遂げてきた「姫路」駅周辺は、2021(令和3)年9月の「アクリエひめじ」、2022(令和4)年5月の「県立はりま姫路総合医療センター」の開業をもって主要施設の整備が完了し、事業も節目を迎えました。

そこで、改めて「キャスティ21」の経緯や現在の状況について、また姫路市の新たな文化芸術拠点としてオープンから約1年を迎える「アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)」について姫路市役所の各担当課関係者にお話を伺いました。

2022(令和4)年に主要整備が完了、姫路駅周辺の魅力をアップさせた「キャスティ21」事業

<姫路市役所 姫路駅周辺整備課 ご担当者にお聞きしました。>

――まずは「キャスティ21」が始まった経緯について教えてください。

姫路駅周辺整備課 ご担当者:南北の市街地を分断するように通っていた国鉄(現JR)を高架化するきっかけになったのは昭和47(1972)年に高架線路により整備された新幹線の開通でした。慢性的な渋滞を高架化により改善できるという機運が高まったのです。現実的には山陽本線、姫新線、播但線、飾磨港線を高架化する必要があり、莫大な資金が必要となり、幾度となく頓挫をしましたが、昭和61(1986)年に飾磨港線が廃止になったことで事業費が縮減でき、高架化を目指す「連続立体交差事業」に加え、道路を整備する「関連道路事業」、土地を集約し活用する「土地区画整備事業」の3つの事業が平成元(1989)年に認可されました。

「キャスティ21」の計画概要(姫路市)
「キャスティ21」の計画概要(姫路市)

「キャスティ21」はこの3つの事業を一体として行うことにより、「にぎわい」と「うるおい」にあふれた交流都市の形成を目指すまちづくりの計画のことです。その後、平成18(2006)年に山陽本線、平成20(2008)年に姫新線と播但線が高架化され、平成23(2011)年には全ての鉄道高架事業が完了しました。

――「キャスティ21」の概要について教えてください。

ご担当者:鉄道を高架化し、車両基地や貨物基地を移動させることによって生み出した土地を、駅前の玄関口にあたる「エントランスゾーン」、民間を誘致し商業の拠点とする「コアゾーン」、新たな市民交流の場である「イベントゾーン」の3つに分け、開発を進めてきました。ちなみに、「キャスティ21」という名称は、お城の「キャッスル」と都市の「シティ」、そして「21世紀」を組み合わせた造語で、市民から愛称を募集し、平成2年に命名されました。

「エントランスゾーン」については、播磨の中核都市にふさわしい都市の顔として、「城を望み、時を感じ人が交流するおもてなしの広場」というコンセプトのもとに整備が進められ、まず姫路城の外堀をイメージした駅前空間「キャッスルガーデン」が平成25(2013)年4月30日にオープン。そして、姫路の玄関としての「門」をイメージした「キャッスルビュー」が同年6月15日にオープンしました。また、広場空間を活用する条例が平成27(2015)年4月に施行され、「キャッスルガーデン北広場」、「キャッスルガーデン」、「中央地下通路」の空間を市民の方にイベント利用していただくようになりました。

日本最大規模の駅前空間「キャッスルガーデン」
日本最大規模の駅前空間「キャッスルガーデン」

イベントの件数としては、2015(平成27)年度が232イベント、2016(平成28)年度が311イベント、2017(平成29)年度が392イベントと年々増加し、「キャッスルガーデン北広場」では音楽イベントやダンスの発表など、「中央地下通路」ではワインの試飲会や化粧品の販売などのさまざまなイベントが行われ、その都度賑わいを見せていました。

その後、新型コロナウイルス感染症の影響によりイベント利用を中止した期間があったため、2020(令和2)年度が318イベント、2021(令和3)年度は256イベントと落ち込みましたが、2022(令和4)年度は行動制限がない中、感染防止対策をとりつつ多くのイベントが行われており、コロナ禍前の賑わいを取り戻しつつあります。

「コアゾーン」については理想的なまちづくりを進めるため民間主導による開発を進め、現在、「姫路城」を一望できる天空チャペルを有する「ホテルモントレ姫路」や映画館・スーパーマーケットなどが入店している複合商業施設「テラッソ姫路」をはじめ、フィットネスクラブ、専門学校、クリニック、保育園などの魅力的な施設がオープンしています。

「テラッソ姫路」
「テラッソ姫路」

また、「エントランスゾーン」と「コアゾーン」をつなぐ700メートルの屋根付き歩行者デッキを整備し、平成30(2018)年7月から全面開通しました。市民の皆さんに愛着を持っていただけるように愛称を募集し、「コアゾーン」は「キャスティタウン」、歩行者デッキは「キャスティウォーク」という愛称に命名されました。

駅前の主要施設は、屋根付き歩行者デッキで繋がった
駅前の主要施設は、屋根付き歩行者デッキで繋がった

――「キャスティ21」によって、地域住民の暮らしはどのような魅力やメリットが生まれたのでしょうか?

ご担当者:高架事業によるメリットの1つとしては交通の円滑化があげられます。また、2015(平成27)年4月1日から規制を開始した「大手前通りのトランジットモール化」により、駅前の大通りにおいて路線バス・タクシーを除く一般車両の通行を禁止し、歩行者を中心とした安全で快適な歩行環境を実現しました。これほどの規模でトランジットモール化したのは日本初の試みではないでしょうか。また、歩行者環境の整備に当たっては、高低差のあるところにエレベーターを設置するなど、車椅子やベビーカーの利用者にとっても通行しやすい環境を実現しています。

姫路駅前 大手前通り トランジットモール
姫路駅前 大手前通り トランジットモール

そして、商業施設等の充実により、駅周辺で様々なサービスが受けられるようになったことも大きなメリットと考えています。かつては買い物をするのに神戸や大阪に出る方も多かったと思うのですが、現在では、姫路駅周辺に買い物をする施設がますます充実してきています。

姫路市では姫路市ウォーカブル推進計画を定め、今年度から大手前通りでは「ほこみち制度」を利用した道路の利活用が始まりました。今後も魅力的で豊かな暮らしができ、安心して歩ける環境を目指し、姫路の街の価値が向上するような街づくりを進めていきたいと思います。

姫路に新たな魅力と活力を創出する交流拠点「アクリエひめじ」

<姫路市都市局市街地整備部の近藤さん、姫路市観光スポーツ局の葛西さん・有村さんの3名にお話をお聞きしました。>

左から姫路市都市局市街地整備部・近藤さん(左)、姫路市観光スポーツ局 有村さん(中央)・葛西さん(右)
左から姫路市都市局市街地整備部・近藤さん(左)、姫路市観光スポーツ局 有村さん(中央)・葛西さん(右)

――「アクリエひめじ」のコンセプトを教えてください。

姫路市観光スポーツ局 葛西さん:姫路といえば、まず「姫路城」が思い浮かぶ方が多いかと思いますが、実際、これまでは人の流れは「姫路」駅とお城の間の行き来で完結してしまいがちで、「姫路」駅から東のゾーンは栄えているとはいえませんでした。そこで、駅から「姫路城」へ向かう南北の軸だけではなく東西にも軸を作り、東の拠点施設として人が行きたくなるような場所を作りたいと考えました。

「アクリエひめじ」の施設コンセプトは「新たな出会い、発見、価値を創出し、姫路の魅力向上と都市の活力を生み出す交流拠点」です。使いやすい・受け入れやすい・入りやすい施設を目指しています。常にオープンな施設なので、自由な発想で利用していただきたいです。

2021(令和3)年9月に開館した「アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)」
2021(令和3)年9月に開館した「アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)」

――「アクリエひめじ」は、「キャスティ21」においてどのような役割があるのでしょうか?

近藤さん:「キャスティ21」地区のメインエリアは3つに分けられます。まずは、「姫路」駅を中心とした「エントランスゾーン」。2つ目にシネマコンプレックスや都市型ホテルなどがある「コアゾーン」。そして最後に、新たな文化・芸術とMICE推進の拠点としての機能を担うために誕生した「アクリエひめじ」と、隣接地に今年開院した「県立はりま姫路総合医療センター」がある「イベントゾーン」です。

文化ホールや病院などは、もともと郊外に分散していましたが、今回このように公共施設を街中へ移転したことによって、市民の方にとっても便利になったかと思います。また、駅から歩行者デッキがつながっていて、安全・快適に移動することができます。「アクリエひめじ」を中心として、誰でも楽しめて気軽に回遊できるような場になることを願っています。

姫路市の中心部で、新たな交流拠点の役割を担う
姫路市の中心部で、新たな交流拠点の役割を担う

――建物自体とても先進的でオシャレですよね。

葛西さん:建物のデザインは「姫路城」をモチーフにしています。低層部に関しては石垣をモチーフとした大型レンガを使用しています。高層部は連立式天守の白壁をイメージした構成としています。

近藤さん:屋上や建物周辺には自然が広がり、「いこいの空間」としての役割も担っています。都心部にも緑が多くあり、住み良い街であるというアピールをしていきたいですね。

自然をとり入れた景観は緑豊かな姫路のイメージを象徴している
自然をとり入れた景観は緑豊かな姫路のイメージを象徴している

――「アクリエひめじ」にはどのような施設がありますか?

葛西さん:1階には約4,000平方メートルの展示場があり、催しの規模に合わせて分割して使用することができます。2階には大・中・小の文化ホールがあり、大ホールは2,010席の大規模ホールで音響設備もアーティストの方から好評です。4階には会議室が10室並んでいます。

姫路市観光スポーツ局 有村さん:「第72回WHO(世界保健機関)西太平洋地域委員会」という国際会議が開催され、大ホールでは松任谷由実さんやAIさんなど、有名アーティストによるコンサートが行われています。

播磨圏域最大級、2,010席を有する大ホール
播磨圏域最大級、2,010席を有する大ホール

葛西さん:ホール・展示場・会議室を複合利用ができるところが、大きな強みです。自由度が高いので、用途に合わせてフレキシブルに利用していただきたいです。

有村さん:来館者数は、2021(令和3)年9月の開館から本年6月までで約27万7,000人と、たくさんの方にお越しいただいていておりうれしい限りです!

面積約4,000平方メートルを誇る展示場
面積約4,000平方メートルを誇る展示場

――最後に、今後の展望や、周辺地域の方へのメッセージをお願いします。

有村さん:国内だけでなく、世界でも認知される施設になることが理想です。今までの姫路にはなかったようなイベントなど誘致できればと考えていますので、お越しになられたことが無い方にもぜひ「アクエリひめじ」に足を運んでいただきたいと思います!

近藤さん:中心市街地の拠点施設としてたくさんの方に来ていただきたいです!「アクリエひめじ」・「姫路城」・「姫路」駅…と相乗効果で全てがさらににぎわっていってほしいですね。

葛西さん:施設というのは“使われてなんぼ”だと思っていますので、できるだけ多くの方に利用していただきたいですね。「アクリエひめじ」に良い印象を持ってもらうことで、姫路市のさらなる盛り上がりにつなげていきたいです! 

今回お話を聞いた方

■「キャスティ21」について
姫路市役所 姫路駅周辺整備課 ご担当者

■「アクリエひめじ(姫路コンベンションセンター)」について
姫路市都市局 市街地整備部 近藤さん
姫路市観光スポーツ局 手柄山中央公園整備室 葛西さん
姫路市観光スポーツ局 文化コンベンション推進室 有村さん

所在地:兵庫県姫路市神屋町143番地2
電話番号:079-263-8082
URL:https://www.himeji-ccc.jp/
※この情報は2022(令和4)年8月時点のものです。