「キセラ川西」整備事業スペシャルインタビュー

市民参加や低炭素社会を推進するまちづくりが魅力!「キセラ川西」の取り組み、魅力とは?

「キセラ川西せせらぎ公園」のシンボルツリー、エドヒガン。“日本一の里山”と称される黒川地区からの移植。
「キセラ川西せせらぎ公園」のシンボルツリー、エドヒガン。“日本一の里山”と称される黒川地区からの移植。

今、川西市の新たなにぎわいの中心として注目される「キセラ川西」エリア。2022(令和4)年には「川西市立総合医療センター」が開院することでさらに住環境としてのニーズが高まっています。今回、「キセラ川西」の開発に携わった川西市役所のキセラ川西推進課のもとを訪ね、「キセラ川西」周辺の魅力や開発の経緯、今後の展望についてお話をお伺いしました。

キセラ川西推進課、主査の錦織淳二(にしごり じゅんじ)さん(左)、主任の古山拓育(ふるやま たくや)さん(中)、主事の山村俊樹(やまむら としき)さん(右)
キセラ川西推進課、主査の錦織淳二(にしごり じゅんじ)さん(左)、主任の古山拓育(ふるやま たくや)さん(中)、主事の山村俊樹(やまむら としき)さん(右)

キセラ川西位置図
キセラ川西位置図

――キセラ川西の開発はいつごろからスタートしたのでしょうか?

山村さん:かつて「中央北地区」と呼ばれていたこのエリアにはもともと川西市の地場産業だった皮革事業の工場群がありました。しかし、不況のあおりや阪神淡路大震災の影響を受け、皮革事業が衰退したことで、1995(平成7)年3月に皮革工業協同組合から再開発の要望があり、1998(平成10)年12月に住宅街区整備事業がスタートしましたが、その後事業が頓挫し、紆余曲折を経て、2010(平成22)年7月に土地区画整理事業の都市計画が決定されました。

主事の山村俊樹(やまむら としき)さん
主事の山村俊樹(やまむら としき)さん

2011(平成23)年6月に「中央北地区のまちづくり方針」を策定し、“「医療」「住宅」「集客」などの多機能が連携する『次世代型複合都市』を目指したまちづくり”を進めることが決まりました。皮革事業による環境悪化という問題を抱えていたので、環境に配慮した地区を目指すとともに、2013(平成25)年に全国で初めて「低炭素まちづくり計画」を策定しました。「PFI事業」と「市民参加」、そして「低炭素」という3つの軸で展開し、2020(令和2)年7月に土地区画整理事業の締めである換地処分を行いました。

「キセラ川西せせらぎ公園」がオープンした2017(平成29)年7月には「オープニングフェスタ」という開園イベントを行い、約3,000人の方が訪れました。

主任の古山拓育(ふるやま たくや)さん
主任の古山拓育(ふるやま たくや)さん

――「PFI事業」と「市民参加」と「低炭素」の3つを軸にまちづくりが進み、今に至っているわけですね。まずは「PFI事業」と「市民参加」について教えていただけますか?

古山さん:「PFI事業」は、公園や道路の整備などを行う「都市基盤整備業務」、ワークショップやエリアマネジメントを行う「まちづくりコーディネート業務」、市関連用地の売却と民間マンションの事業を誘致する「付帯業務」の3つの事業から構成されています。ハード業務である都市基盤整備と並行して、ソフト業務のまちづくりを推進していることが本PFI事業の特徴です。

そして、まちづくりとして大切なのは「市民参加」です。「キセラ川西せせらぎ公園」を整備するにあたり、市民が愛着を持てる公共空間実現を目指すために設計・施工・維持管理の各ステージにおける市民参加、ワークショップを継ぎ目なく、積極的に行なってきました。設計段階のワークショップでは専門家を交えることで、市民のアイデアが実現され、公園のシンボルツリーとしてエドヒガンや台場クヌギを“日本一の里山”と称される黒川地区から移植しました。ワークショップとして小学生による芝貼りなども開催し、市民の力でつくる魅力的な公園になっています。

台場クヌギを移植した里山エリア
台場クヌギを移植した里山エリア

さらに維持管理段階のワークショップとして、「キセラ・カフェ」という「キセラ川西せせらぎ公園」に関する情報交換など市民参加のプラットフォームとなる場が隔月で開催されています。実際に公園の清掃や犬を連れて公園を散歩されている方に向けた犬の飼育マナー教室などのイベントが市民発意で実施されるなど、市民主体のイベント運営がなされています。今後、さらにこのような流れを確立できれば、市民参加は充実したステージへと発展していくのではないかと感じています。

養生中の芝生に入らないように川西市の子どもによるメッセージを掲載
養生中の芝生に入らないように川西市の子どもによるメッセージを掲載

――「低炭素」についての取り組みを教えてください。

古山さん:我々が手がける土地区画整備事業は対象地区内の宅地を再配置するとともに、道路や公園などの社会基盤を整備するもので、実際に建物を建てることは含まれていません。しかし、地区内の低炭素の実現に向けて「低炭素まちづくり計画」を策定し、地区のルールとなる運用基準を別途作らせていただきました。

その基準に基づき、手続き条例を制定して、この地区内で建物を建てる際にはその条例に合わせて協議させていただいています。個別の土地利用に対して、建物の低炭素化や敷地の緑化にご協力いただき、さらにモニタリングとして公表することで地区全体の低炭素化につながっています。これら「PFI事業」、「市民参加」、「低炭素」の取り組みが「PFI と低炭素と市民参加のまちづくり」として、第1回先進的まちづくり大賞において「都市みらい推進機構理事長賞」の受賞につながりました。

豊川橋山手線を無電柱化
豊川橋山手線を無電柱化

 

――キセラ川西地区に整備されている大規模集客施設「オアシスタウンキセラ川西」について教えてください。

山村さん: 我々が担当している土地区画整理事業は基盤整備で、「オアシスタウンキセラ川西」に関しては地権者の方が誘致し、民間による運用となっています。様々な商業施設が入っており地域内のにぎわいを創出する存在として、平日休日問わず、大勢の方が来られています。この「オアシスタウンキセラ川西」も低炭素のまちづくりに配慮した建築物となっており、令和2年度の「第4回エコまち建築賞」として表彰させていただきました。

生活に必要な買い物が叶う「オアシスタウンキセラ川西」
生活に必要な買い物が叶う「オアシスタウンキセラ川西」

――低炭素型複合施設である「キセラ川西プラザ」は市の管轄ですか?

錦織さん:キセラ川西プラザは市の他部署である文化・観光・スポーツ課が管轄しています。福祉や医療、子育てに関するサービスを提供している福祉棟と定員1000人収容可能な大ホール「キセラホール」や大会議室、多目的スタジオを有した文化棟からなる二酸化炭素の排出削減に配慮した建築物です。

低炭素型複合施設「キセラ川西プラザ」
低炭素型複合施設「キセラ川西プラザ」

福祉棟と文化棟からなる「キセラ川西プラザ」
福祉棟と文化棟からなる「キセラ川西プラザ」

――キセラ川西の中心をなす「キセラ川西せせらぎ公園」には今日もたくさんの人が集まっていますね。

山村さん:天候が良い日は平日、休日問わずたくさんの人が「キセラ川西せせらぎ公園」に訪れます。この「キセラ川西せせらぎ公園」はPFI事業で、民間活力の導入として整備した公園となっており、市民と一緒に作り上げた公園なのです。公園を利用する際のガイドラインを作成していて、その許可を受けたさまざまなイベントが開催されています。

せせらぎ遊歩道
せせらぎ遊歩道

一周550mのジョギングコース
一周550mのジョギングコース

川西市内の産業をPRする「川西まつり」や夜にキャンドルを灯す「かわにし音灯り」など、市民が中心となるイベントだけでなく、ハンドメイド雑貨フェス「ロハスパーク」や子どものための冒険遊び場「プレーパーク」、高齢者も気軽に楽しめる健康活動イベント「ノルディックウォーキング」など、さまざまなイベントが開催されています。このように大規模なイベントから日常的なイベントまで開催できる仕組みとなっています。

皮革汚水の前処理場があったことを伝えるモニュメント
皮革汚水の前処理場があったことを伝えるモニュメント

またこの「キセラ川西せせらぎ公園」は災害時に4500人が避難できる防災機能を有した公園となっています。設置が簡単な「マンホールトイレ」やベンチをひっくり返すとかまどになる「かまどベンチ」、さらに、安全な飲料水が常に確保できる耐震型緊急貯水管や集中豪雨の際の受け止めきれない水を一時貯めておける雨水貯留槽が整備されています。これらの貯水槽はかつて皮革工場で出る汚水を処置していた前処理場の地下ピットを有効活用したもので、過去が今につながっています。

マンホールトイレ
マンホールトイレ

――「キセラ川西」内に現在建設中の病院はいつ完成予定ですか?

山村さん:病院改革推進課で進めている「川西市立総合医療センター」は2022(令和4)年9月の開院予定です。コンセプトは「安心と信頼のガーデンホスピタル」ということで、「川西の豊な自然を最大限に活かした患者・スタッフ・まちを健康にする病院」、「患者ファースト・他職種連携の医療環境」、「トリプルクロス全個室病棟」、「水害・地震・火災に強く感性制御に配慮、持続可能な病院」という5つのコンセプトを掲げています。

屋上にガーデンテラスがあり、「キセラ川西せせらぎ公園」を身近に感じられる病院となっています。28の診療科、病床405床を有する総合医療センターです。高度な治療も可能となるため、川西市における医療の中心地になる存在です。

建設中の「川西市立総合医療センター」
建設中の「川西市立総合医療センター」

公園内にはたくさんの桜が植樹されている
公園内にはたくさんの桜が植樹されている

――このような施設が充実すると人口増加も期待できるのではないでしょうか?

錦織さん:身近に商業施設や公園などがあり、生活環境として素晴らしい地区となっているので、住居として需要が高くなっていると感じています。最近、特にファミリー層の増加が見られ、キセラ川西の地区内には保育所も増加しています。工業地域にも住居が建てられていて、そのような傾向は事業を進める中で気づいたことです。

主査の錦織淳二(にしごり じゅんじ)さん
主査の錦織淳二(にしごり じゅんじ)さん

――錦織さんは7年間、この事業に関わられてこられたとお聞きしました。今のお気持ちはいかがでしょうか?

錦織さん:私が関わり始めた平成26年から比べて、徐々にまちとして形になっていくのを見ると感慨深いものがありますね。一旦、都市基盤は整備しましたが同エリアのコンセプトは「市民が主役」なので、「ここは使い勝手が悪い」、「ここはこうなったらいいのに」という意見を市民同士で話し合い、また行政にも伝えていただき、これからもともにまちづくりを進めていければと思います。

市民の意見が反映されて建設されたパークオフィスキセラ丸
市民の意見が反映されて建設されたパークオフィスキセラ丸

――最後に、これから川西エリアにお住まいになる方へアピールポイントやメッセージをお願いします。

山村さん:川西市は大阪の都市部に近く、日本一の里山と称される黒川地区があるなど、利便性と自然環境を両立した素晴らしい住宅都市になっています。

さらに、川西市の玄関口である川西能勢口駅の周辺には百貨店やショッピングモール、大型スーパーがそろっていますし、川西市内各地にもスーパー、飲食店、日用品店が点在しており、日頃の買い物としても便利な地区になっています。

また、「キセラ川西」は「キセラ川西せせらぎ公園」を中心に住宅施設、医療施設、公共施設、商業施設が集約され、暮らしに必要なさまざまな施設が集まっているのが魅力です。多くの方に川西市に訪れていただいて、川西市を知っていただいて、住んでみたいと思ってくださる方が増えるとうれしいです。

キセラ川西推進課の錦織淳二さん、山村俊樹さん、古山拓育さん
キセラ川西推進課の錦織淳二さん、山村俊樹さん、古山拓育さん

キセラ川西整備事業

川西市役所 キセラ川西推進課 錦織淳二さん、古山拓育さん、山村俊樹さん
所在地 :川西市中央町12-1
URL:https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/shiseijoho/machi/1008397/index.html

電話番号:
<土地区画整理事業に関すること>
都市政策部・都市政策課 072-740-1201
<低炭素まちづくり事業に関すること>
土木部・公園緑地課 072-740-1185
※この情報は2021(令和3)年4月時点のものです。