今新たに生まれ変わろうとしているウォーターフロントエリアに2021（令和3）年10月、複合文化施設「神戸ポートミュージアム」が誕生しました。一階には神戸発祥のブランド「TOOTH TOOTH」がセレクションした9の飲食店が集う神戸最大級のフードホール「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」が入り、新たなにぎわいを創出しています。「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」と神戸ウォーターフロントエリアの魅力について、フロアコンシェルジュの嘉藤志織さんにお話を伺いました。

飲食店の存在が街を形成する――神戸の新たな観光拠点へ

――1986（昭和61）年に開業した「TOOTH TOOTH」から海の家やフランス料理店、洋菓子店、ダイニングレストランなどのさまざまなジャンルの飲食店を展開されている御社ですが、事業内容についてお聞かせください。

嘉藤さん：弊社は主にレストランやカフェを全国展開しています。これまでは路面店や商業施設への出店も多かったですが、ここ何年間はフードホール事業にも着手しています。今まではフードホール全体のコンセプトワークや環境デザインなどのプロデュース事業やフードホールへの出店を行っておりましたが、今回の「TOOTH TOOTH MART FOOD HALLHALL&NIGHT FES」のようにフードホール全体の運営を担うのは初めてです。

――「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」を開業するに至った経緯を教えてください。

嘉藤さん：神戸のウォーターフロントの再開発として、水族館atoa・ブライダルデスクVOYAGE KOBEとともに、創業から神戸で様々な飲食店を手掛けている弊社として神戸の新たなランドマークとなるフードホールを実現したいという想いがありました。弊社代表の金指はいつも「飲食店自体が、一つの街を形成するもの」という考えを大切にしており、弊社は昔から人気のないビジネス街に出店することが多かったです。店舗がにぎわうことによって、別の飲食店ができたり、ブティックができたりなど、1つの街が形成され、カルチャーが出来上がっていく。今回の開発は、まさに弊社のこれまでのコンセプトに近いと感じました。

「ハレの日常」を演出するための強いこだわり「地産地消」にも注力

――「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」には、セレクトした9ショップが入居されていますが、 どのような基準や想いで選ばれたのでしょうか。

嘉藤さん：「TOOTH TOOTH」は「ハレの日常」をブランドコンセプトとして掲げています。「食からはじまるクリエイティブを通じて、皆さまの日常がちょっとおしゃれに素敵に、幸せになりますように」という想いを込めています。今回は神戸の観光名所・ランドマークとして、神戸にちなんだ地元の食材を使用している店舗をセレクトしました。普通フードコートといえば各々の看板を外に出してギュッと集まっているイメージですが、「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」はあえて外観を合わせ、一体感を重要視しています。ただ、中に入ると店舗ごとに異なった世界観があり、内装もそれぞれ個性を出しているところが魅力の1つです。

――おすすめのメニューやこだわりについても教えてください。

嘉藤さん：地元神戸の食材を使用するのはもちろん、手作り・クラフト感にもこだわっています。ラーメン店では小籠包を手包みで提供し、パスタとピザのお店のチーズは併設のチーズ工房で作ったばかりのチーズを使用した商品を提供しています。もう1つのこだわりは、「ライブ感」です。例えば、ハンバーグを焼いているところが見えたり、BBQ店では溶岩プレートで焼いている様子が目の前で見えたり、食事の味はもちろん、作っている過程も楽しむことができます。

――バーカウンターもありますが、お酒はどのようなものがありますか？

嘉藤さん： 一番のおすすめは六甲ビールです。六甲ビールさんと提携し、「ハレノニチジョウ」というビールを、オープンに合わせて新たに作りました。とても飲みやすく、年齢・性別を問わず人気です。他には、アトア（同館2～4階の水族館）さんにある球体の水槽をイメージした「パブガブカクテル」もおすすめです。バーカウンターの天井にある水槽をバックに写真を撮って、SNSで投稿してくださる方も多いです。いわゆる「インスタ映えするスポット」です。

――各店の食材のこだわりについて教えてください。

嘉藤さん：フードホール内の「シャックジュール・エパヌイ」という店舗では、神戸市西区の「神戸うすなが牧場」さんと契約した牛肉を使用しています。他にも淡路島の食材をはじめ、神戸近郊の食材をできるだけ使っています。

神戸の夜をオシャレに演出　誰もが楽しめる場所へ

――「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」の楽しみ方を教えてください。

嘉藤さん：昼と夜とでは全く違った趣があります。夜になると神戸ハーバーの夜景が一望でき、特別な雰囲気が楽しめます。また、バーカウンターの頭上にはアトアさんのアクアリウムと繋がった巨大水槽があり、光の揺らぎが幻想的な特別空間を演出しています。

――イベントも開催されているそうですね。

嘉藤さん：はい。毎週末にDJイベントやライブ演奏イベントを開催しています。演奏イベントはジャズがメインで、さまざまなミュージシャンが出演しています。詳しくは「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」のSNSをご確認ください。

――普段はどのようなお客様がご利用されていますか？

嘉藤さん：お昼の時間帯は劇場型アクアリウム・アトアさんにいらっしゃるお子様連れやカップルの方が多いです。夜はカップルやご夫婦がお酒を楽しまれていますね。神戸は海外の企業が多く、海外の方の姿もよく見かけます。まさに交流しやすい場所になれば嬉しいですね。

神戸のシンボリック的存在　「日常」に寄り添い、豊かな暮らしを演出

――神戸の街の雰囲気についてお聞かせください。

嘉藤さん：私は出身が島根県なのですが、神戸はあらゆるものがお洒落に感じます。また、ウォーターフロントは海辺ですが、少し足を伸ばすと六甲山をはじめとする自然豊かな環境もあります。神戸は都市部ですが海も山もあり、色々な魅力がギュッとつまっていて、とても住みやすい街だと思います。

――新しく生まれ変わりつつあるウォーターフロントエリアの魅力や今後の目標を教えてください。

嘉藤さん：ウォーターフロントエリアはもともと倉庫街で、人が寄り付かないエリアだったそうですが、「神戸ポートミュージアム」ができたことで新たに賑わいが生まれていると感じます。実は私も「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」がオープンする事になって初めて訪れました。今では、街のにぎわいを創っているという楽しさを感じます。今後、あらゆるシーンで使っていただける場になることを目標としています。

――最後に、これから新しくウォーターフロントエリア周辺に住まれる方々に向けてメッセー ジをお願いします。

嘉藤さん：住まわれた際にはぜひ「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES」を日常的に使っていただけたら嬉しいです。海沿いのお散歩・お仕事帰りにお食事など、「ハレの日常」を存分にお楽しみください。