スペシャルインタビュー

「フレミラ宝塚」で、親子の居場所づくりに取り組む 「きらきらひろば」

フレミラ宝塚」は、宝塚市の大型児童センターと老人福祉センターの複合施設。老人福祉センターでは、高齢者の方がさまざまな同好会や教室などを積極的に開催。一方で、大型児童センターは児童館の役割を担っていて、小学生から高校生までの子どもたちが利用している。その中にある「子ども家庭支援センター・きらきらひろば」は、市内在住の0歳~3歳くらいの未就園児と保護者が自由に遊べる場所となっている。

今回は、親子の居場所づくりに取り組む「宝塚市子ども未来部 子ども家庭室 子ども家庭支援センター」の北浦さんに、その活動内容や宝塚市の子育て環境について、お話を伺った。

宝塚市子ども未来部子ども家庭室・子ども家庭支援センター」の北浦さん
宝塚市子ども未来部子ども家庭室・子ども家庭支援センター」の北浦さん
 

高齢者と子どもたちがふれ合い、未来を築く場所

——まずは、「フレミラ宝塚」の「子ども家庭支援センター」の事業内容を教えてください。

北浦さん:この「子ども家庭支援センター」は、宝塚市内の子育て支援の核となる施設という位置づけになっています。「きらきらひろば」の運営や子育て情報の発信や講座の開催、産後のご家庭への支援としてヘルバーの派遣などを行っています。

他にも、子育て世帯の外出支援として、おむつ交換や授乳ができる場所を設置していただいた施設に「子ども連れでも気軽に入れる場所」と分かるように、「赤ちゃんの駅」のシールを貼ってもらっています。市内には現在、116カ所もあるんですよ。

また、「フレミラ宝塚」内の「ファミリーサポートセンター」では、小学生以下のお子さんをお持ちのご家庭への有償ボランティアによる育児支援も行っています。「フレミラ宝塚」のように多世代で交流できる場所は珍しく、他市からも視察に来られることもあります。

「フレミラ宝塚」
「フレミラ宝塚」

——では続きまして、「きらきらひろば」の概要を教えてください。

北浦さん:「きらきらひろば」は、市内在住の0歳~3歳くらいの未就園児と保護者が自由に遊べる場所です。ハイハイ運動ができる遊具や、木のおもちゃで遊ぶことができ、常駐している保育士に、子育てのお悩みを相談したりすることができます。入口のプレイコーナーでは5歳児くらいまでのお子さんも遊ぶことができるようになっています。利用できる日は月曜日から金曜日の午前10時から午後5時までで、第1・3火曜日は休館日です。

——利用者はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

北浦さん:多いときは60人ほどで、少ないときでも10人~20人の利用者がいます。床暖房も設置しているので、寒い日の利用者は多いですね。定期的に管理栄養士や助産師の方をお呼びして、子育ての悩みを相談できる機会も設けています。そこから情報収集をしていく方もたくさんいらっしゃいます。親同士が知り合う機会もあるので、お友だちづくりにも利用されています。

「フレミラ宝塚」の一角にある「きらきらひろば」
「フレミラ宝塚」の一角にある「きらきらひろば」

北浦さん:子ども家庭支援センターが発行している「きらきら通信」に情報を載せており、Instagramも始めましたので、そちらで講座の情報などをチェックしていただくこともできます。また、昨年メールからLINEに切り替わった「きらきら子育てLINE」では、妊娠期から3歳までのお子さんがいる保護者の方や、その家族を対象に、妊娠周期や子どもの月齢に応じたタイムリーな情報を発信しています。

宝塚市では、妊娠期から切れ目なく支援できる環境を提供しています。講座も月齢別に行っていますし、悩まれたときは気軽に相談していただきたいと思っています。

子育て通信「きらきら秋号 Vol.85」(提供:宝塚市)
子育て通信「きらきら秋号 Vol.85」(提供:宝塚市)

——きらきらひろばを利用された方の声には、どういったものがありますか

北浦さん:ありがたいことに、「過ごしやすい」「雰囲気がいい」という、うれしいお声をいただくことが多いです。ここでお知り合いになられた方同士が、仲良くされているのを見かけたり、「上の子の時に利用していて良かったので、下の子の時も利用している」「友だちから紹介してもらって来るようになった」というお話を伺ったりすると、やはりこちらとしてもうれしいですし、やりがいを感じます。

大規模イベント「わっしょいフレミラ秋まつり」や「ミニたからづか」を開催

——イベントも定期的に開催されているそうですね。

北浦さん:世代間交流を目的に、10月末に「わっしょいフレミラ秋まつり」が開催されます。老人福祉センターの同好会と教室に通われている方の作品展やバザーの出店、「宝塚市立売布小学校」の音楽隊の演奏なども行います。子ども家庭支援センターも親子で工作が楽しめるブースを設ける予定です。「きらきらひろば」も、イベント中は未就学児のあそびのコーナーとして開放しています。

ようやくコロナ前と同じように開催できるので、私たちもとても楽しみにしています。今年は出店やキッチンカーなども出る予定ですので、皆さんと一緒に盛り上げることができればと思います。

「わっしょいフレミラ秋まつり」開催中も開放される「きらきらひろば」(提供:フレミラ宝塚)
「わっしょいフレミラ秋まつり」開催中も開放される「きらきらひろば」(提供:フレミラ宝塚)

親子で楽しめる絵本の読み聞かせなど、いろいろなプログラムが開催される(提供:フレミラ宝塚)
親子で楽しめる絵本の読み聞かせなど、いろいろなプログラムが開催される(提供:フレミラ宝塚)

北浦さん:また、「ミニたからづか」という、子どもたちがまちづくり体験を行うイベントも毎年行っています。子どもたちが仕事体験を通じて、「ZUKA」という通貨を稼いで、その収入は遊びや飲食に使って、お金の流れを学び、働く楽しさを知るというものです。

中高生がメインで企画や運営に携わる「ミニたからづか」(提供:フレミラ宝塚)
中高生がメインで企画や運営に携わる「ミニたからづか」(提供:フレミラ宝塚)

北浦さん:子どもたちの中から「ミニたからづか」の市長や副市長、銀行や市役所の担当を決めるんです。ただ遊びに来るだけではなくて、町の管理や店舗の店長を任されるので、責任を持って活動する学びの多いイベントだと思います。中高生がメインで企画や運営に携わるのですが、やりがいを持って、楽しそうに活動していました。1回参加すると、大学受験で忙しくなるまで参加する子もたくさんいます。そのうち、大人になって、「自分の子どもにも参加させたい」と思ってくれたら嬉しいですね。

「ミニたからづか」スタッフ募集のチラシ(提供:フレミラ宝塚)
「ミニたからづか」スタッフ募集のチラシ(提供:フレミラ宝塚)

利用者同士や職員との交流しながら体を動かしたり、学ぶ場所

——世代別ではどのような施設の使われ方をされているでしょうか。

北浦さん:大型児童センターの「運動室」は、体育館のように広く、中高生がバスケットボールやバドミントン、バレーボールを楽しんでいます。小学生はよくドッジボールや鬼ごっこなどをしていますね。「運動室」を出たところに卓球台やビリヤードのようなバンパープールという台もあるので、多くの子どもたちが利用しています。職員とも関わりながら遊んでいる子も多く、トランプやUNO、ドミノなどを一緒に楽しんでいることもありますね。

「運動室」(提供:フレミラ宝塚)
「運動室」(提供:フレミラ宝塚)

北浦さん:また、テスト期間になると自習室が開放されます。フリースペースで勉強することもできるので、高校生はよく利用していますね。特に夏休みなどは、ここで1日勉強している子もいます。小学生の親御さんも安心できる場所として、ここへ送り出してくれているようです。

児童館は市内に7カ所ありますが、「フレミラ宝塚」は主に中高生の利用に向けた施設機能やプログラムが充実しているので、「ミニたからづか」などのイベントには、近隣に住んでいる中高生だけでなく、少し遠くの子どもたちも、電車や自転車で参加しています。小学校のときに仲が良かった子と中学校が別になっても、ここで会えるというケースもあるみたいですね。

——シニア世代はどんな方が利用されているのでしょうか。

北浦さん:ここでは毎週陶芸や芸術、運動などの教室を開催しているので、シニア世代の方がとても活発に活動されています。開館前から玄関で準備体操をしながら待っておられる方もいて、本当にお元気な方が多いです。

また、シニア世代の皆さんが自分の居場所や生きがいを見つけるための講座である「づか塾」も開催しています。シニアの方々ご自身が勉強するだけでなく、夏休みなどは、「宿題かたづけ隊」に参加している子どもたちを見守る活動も行うなど、ご協力いただくことも多く、本当に助かっています。

陶芸教室の様子(提供:フレミラ宝塚)
陶芸教室の様子(提供:フレミラ宝塚)

地域全体で共に子どもたちを見守る仕組みづくりを

——今後進めていきたい取り組みなどはありますか?

北浦さん:子どもたちと子育て世帯を、地域一体となって応援する必要があると感じています。子育て世帯への直接的な支援は行っていますが、これからは子育て世帯を取り巻く周囲の環境も、サポートが必要なのではないかと考えています。

そこで今後は、シニア世代に目を向けていきたいですね。シニア世代の方が宝塚市内の子どもたちを「地域の孫」として、保護者と一緒に成長を見守っていただき、支えるような仕組みづくりに取り組んでいきたいと思っています。

——最後に、「宝塚市中山」エリアで子育てをする魅力を教えてください。

北浦さん:フレミラ宝塚」ももちろんですが、「宝塚市立安倉北小学校」の学区エリア周辺には、「米谷保育所」、「地域子育て支援センターすくすく」、「宝塚市立安倉児童館」などがあります。例えば、他市から引っ越してきたときに、お友だちが周囲にいない場合は、子育て支援の場所が複数あることが安心材料になるのではないでしょうか。同年代の子どもがいるお母さん同士でしゃべりたい、子育ての情報を共有したいという時に、気軽に利用できる場所が複数あれば、自分に合ったところも見つけやすいと思います。開催しているイベントも違うので、自分に合った子育て支援の場所を選べるところは、大きな魅力ですね。

「宝塚市立安倉児童館」
「宝塚市立安倉児童館」

 

宝塚市子ども未来部子ども家庭室・子ども家庭支援センター 北浦さん
宝塚市子ども未来部子ども家庭室・子ども家庭支援センター 北浦さん

フレミラ宝塚 きらきらひろば

宝塚市子ども未来部 子ども家庭室 子ども家庭支援センター 北浦さん
所在地:兵庫県宝塚市売布東の町12番8号
電話番号:0797-85-3862/0797-85-3865(子育て相談)
URL:https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kyoiku/odekake/1009340.html
※この情報は2023(令和5)年10月時点のものです。

\ 私が紹介しました/

admin