自然や環境を活かした子育て環境が充実!加古川市役所インタビュー

「加古川市役所」
「加古川市役所」

加古川市は兵庫県南部に位置し、名前の通り加古川という一級河川が流れている。JR「加古川」駅周辺には商業施設が充実しており、神戸や姫路などの主要都市に乗り換えなしで行ける。交通の利便性がよいだけでなく、都市部から車で10分ほど行けば緑豊かな自然を味わえる。加古川市は子育て家庭を応援しており、18歳までの医療費無料化や妊婦健診の費用を助成するなどの政策を行っている。子どもと一緒に楽しめる公共施設も豊富だ。今回は加古川市の魅力や現在計画している事業、教育活動について加古川市役所政策企画課(以下、政策企画課)、都市計画課、加古川市教育委員会(以下、教育委員会)から3名の方に話を伺った。

自然が身近に感じられ、活気のある街

「加古川市役所」の外観
「加古川市役所」の外観

――まずは、加古川市の概要を教えてください。

政策企画課 加古川市は人口約25万6,000人、市南部には都市部、北部には自然が広がっています。市の名前にもなっているように加古川という大きな川が南北に流れており、昔から川を中心に栄えてきました。都市部は公共施設や映画館を併設した商業施設なども充実しており、生活にとても便利です。また、市内にはお子様連れでも30分ほどで登ることができる標高約300mの高御位山(たかみくらやま)があり、まさに自然とまちが近いところが特徴と言えます。

交通の利便性が高いところも特徴です。JR「加古川」駅から新快速に乗れば神戸まで約30分、姫路まで約10分で行くことができます。また加古川バイパスは、車で姫路まで無料で通行可能です。

食の名物はかつめしです。ご飯の上にビーフカツがのり、デミグラスソース系のたれがかかっています。お店によってそれぞれのレシピがあり、こだわりの味があります。棋士の町としても有名で将棋のプロ棋士を7人も輩出しており、将棋教室やイベントもさかんです。

高御位山、山頂からの景色
高御位山、山頂からの景色

――加古川市の自然や加古川市ならではのイベントを教えてください。

政策企画課 市内の農業公園「加古川市見土呂フルーツパーク」は、2024(令和6)年4月にリニューアルグランドオープンを控えています。リニューアルに先駆け、続々と新エリアがオープンしています。10月には植物ショップやレストランなどが営業スタートし、2024(令和6)年4月にはキャンプやグランピングができるエリアがオープンする予定です。

加古川の河川敷で行われるさまざまなイベント
加古川の河川敷で行われるさまざまなイベント

イベントに関していえば、緑地面積の広い河川敷を活かした「かわまちづくり」がにぎわいを見せています。市の事業補助を受けて行っている本イベントですが、有志の事業者を募って行っています。これまでキッチンカーやハンドメイドマーケットなどが集まるイベント「ロハスパーク加古川」やマルシェ、カヌー体験、デイキャンプ、音楽ステージなどを楽しめる「SAVE KAKOGAWA FES」などが行われました。河川敷が新たなにぎわいの場として定着してきています。イベントがある日は、河川敷がそのまま臨時駐車場になります。車でお越しいただけますし、JR「加古川」駅からも徒歩圏内なので、気軽に足を運んでいただきたいです。

子育て環境が充実している加古川市

東加古川公民館と東加古川子育てプラザの複合施設である「かこてらす」
東加古川公民館と東加古川子育てプラザの複合施設である「かこてらす」

――子育てをする上でのおすすめスポットを紹介してもらえますか。

政策企画課 加古川市は、18歳まで医療費無料や無料の一時預かりサービスなど、子育て応援に力をいれています。その意味で言えば、JR「東加古川」駅周辺には市民の方が誰でも利用できる施設がたくさんあります。2022(令和4)年4月1日に複合施設「かこてらす」がオープンしました。「かこてらす」は公民館と子育てプラザの複合施設となっています。屋外や屋内で子どもが遊べる施設が充実しており、子育ての相談窓口にもなっています。カフェもご利用できますので、子育ての合間にほっと一息つける環境です。また、JR「東加古川」駅北側には、複合文化施設の総合文化センターがあります。博物館、プラネタリウム、図書館など学びの場としてご利用できます。車で海側に行けば、海洋文化センターがあります。海をテーマにした文化施設で、各種体験コーナーや図書室があります。夏には海水プール「じゃぶじゃぶ池」が人気で、市外から来られる方もたくさんいらっしゃいます。

駅前周辺に病院や商業施設など生活する上で必要なものがそろっているエリアは、子育てする方にとって魅力的だと思います。

海をテーマにした文化施設「海洋文化センター」の外観
海をテーマにした文化施設「海洋文化センター」の外観

英会話・ICT活用に力を入れ、地域総がかりで豊かな人づくりを目指す

教育委員会 加古川市では、「ともに生きるこころ豊かな人づくり」という教育の基本理念を掲げ、学校園連携ユニットを活用したタテ(校種間)の連携とヨコ(学校園・地域・家庭)の連携により、地域総がかりの教育の充実を図る「ユニット」、学力向上への手立てとして、ことばの力育成プログラムによる実践や、「主体的・対話的で深い学び」を目指した協同的探究学習による授業改善などの「スマート」、一人ひとりが人権に対する意識を高め、お互いを尊重し、ともに生きる社会の実現を目指す「ハートフル」を3つの柱として取組を実施してきました。

就学前から中学校卒業までの連続した学びや育ちを保障
就学前から中学校卒業までの連続した学びや育ちを保障

具体例としては、未来を拓く学びの推進として、2022(令和4)年度から中学校でオンライン英会話を取り入れ、海外の外国人講師と学校をオンラインでつなぎ25分間英会話に取り組んでいます。実際の授業では外国語指導助手の力を借りながら、対面で英語を話すことにも取り組んでいます。中学3年生を対象に英語力を測るテストを実施すると、スピーキングに関して他市に比べて得点が高い結果となりました。話す力が着実に身に付いてきていると実感しています。

さらに、1人1台のパソコン端末など、ICTを効果的に活用して、学びを進めているところです。各学校では校内に光回線を引くことで、オンラインで海外ともつなげることができます。本市では民間企業と協定を結び、地域BWAを活用してきました。ネット回線を引かれていないご家庭でも、子ども達は端末を自宅に持ち帰って使用できます。将来を見据えて子ども達が文房具のように、端末を扱えるようにしていきたいです。

学校園連携ユニットと学校運営協議会
学校園連携ユニットと学校運営協議会

――加古川市の教育環境について教えてください。

教育委員会 中学校区を1つのまとまり「ユニット」として、小・中学校や幼稚園、保育園、こども園などが相互に連携して縦の育ちを大切にしています。子ども達が小1ギャップや中1ギャップなどの問題を感じずに、スモールステップで成長していけることを目指しています。

さらに、加古川市の各学校では地域と連携しながら学校運営に取り組む、コミュニティスクールとして教育活動を行っています。コミュニティスクールとは、学校運営協議会を設置した学校で、学校運営協議会には地域住民も委員として参画しています。地域では、保護者をはじめ住民の方がさまざまな面で子ども達のために活動されています。例えば、登下校時の見守りや図書室の環境整備などの学校園支援ボランティアとして関わってくださっています。

他にも子どもに関わる仕事に就きたい大学生を対象に、障がいなど特別な支援が必要な子どもへの支援ボランティアも募集・実施しております。これからも子ども達の学びを支えて、安心安全な教育を実現していきます。

都市計画でさらなる魅力的な街へと

JR山陽本線「東加古川」駅
JR山陽本線「東加古川」駅

――JR「東加古川」駅付近での連続立体交差事業(以下、連立事業)を計画するに至った経緯、それによる市民が受けられる恩恵について教えてください。

都市計画課 現在JR「東加古川」駅周辺には、踏切が複数あります。その中には、ピーク時に1時間当たり40分以上閉鎖している踏切があり、交通渋滞の原因や踏切事故につながりかねない状況です。また鉄道がJR「東加古川」駅周辺を南北に分断していることで、市街地の回遊性や景観などに支障をきたしております。

このような問題を解決するために、JR「東加古川」駅周辺を含む延長約3.7kmの区間において、鉄道の高架化を予定しています。現在、事業の実現に向けて、鉄道事業者等の関係機関と協議を進めているところです。

この事業が実現すれば交通渋滞緩和はもちろん、踏切事故の解消など、安全にJR「東加古川」駅周辺を通行できるようになります。また、駅前広場を再整備することで人の流れを作り、高架下は店舗や南北をつなぐ空間として活用することなどにより、南北が一体化したまちづくりができると見込んでいます。それらにより、新たなにぎわいを創出できるとも考えています。

――今後のまちづくりにおいて何を重視されているか教えてください。

政策企画課 市長が掲げる「市民一人ひとりの幸せ」を実現するために、デジタル技術を生かした取り組みを行っています。本市ではデジタル技術を活用してオンライン申請や見守りカメラなどの取り組みができる、スマートシティを目指しています。小学校の通学路を中心に、見守りカメラを市内に約1,500台設置しました。小学生だけでなく市民の安全を守り犯罪を未然に防ぐためです。また見守りカメラにビーコンタグ検知器を取り付け、見守りサービスを官民協働で提供しています。

このサービスは保護者やご家族に、見守り対象者の位置情報履歴をお知らせするものです。ビーコンタグを持った見守り対象者が見守りカメラ付近を通過すると、カメラに内蔵する検知器がビーコンタグの信号を受信します。小さなお子様がいる保護者や認知症高齢者ご家族が、安心して生活できるように今後もサービスの充実を図ります。

その地域ならではの魅力があるとないとでは、市民の幸福度も大きく変わると思います。公共施設や商業施設がコンパクトに収まり、身近に自然を感じられるのが加古川市の魅力です。加古川市の良さを生かしながら、市民の幸せを形にしていくことを続けていきたいです。

高度化見守りカメラ
高度化見守りカメラ

――最後に、これから加古川に住まわれる方に向けて、メッセージをお願いします。

都市計画課 JR「東加古川」駅周辺の連立事業が実現すれば交通の安心・安全が保障され、さらなるにぎわいを創出できると考えています。高架下の活用はあくまで例ですが、加古川市はこのような潜在的な魅力を秘めています。住みやすく活気あふれるまちづくりを行っていきたいです。

教育委員会 加古川市はオンライン英会話の導入やICT機器の活用など、先進的な取組を行っています。子ども達の未来を見据えた教育活動を行い、誰一人取り残さない子ども達の学びを支える仕組みを整えていきたいです。

政策企画課 自然が身近にあり利便性があることに加えて、住みやすい町に進化しているのが加古川市です。さまざまな公共施設ができるたびに、市民の期待感が高まっているのを感じます。今後子育て世代にとって魅力的な施設のオープンも控えています。子育て環境の整っている加古川市にぜひ来てください。

花見シーズンの「日岡山公園」
花見シーズンの「日岡山公園」

「加古川市役所」
「加古川市役所」

加古川市役所

政策企画課、都市計画課、加古川市教育委員会
所在地:兵庫県加古川市加古川町北在家2000
電話番号:079-421-2000(代表)
URL:https://www.city.kakogawa.lg.jp/
※この情報は2024(令和6)年1月時点のものです。